第二種電気工事士は、電気工事業界での第一歩を踏み出すために必要不可欠な資格です。この資格を取得すれば、家庭用電気設備の工事や修理が可能になります。
未経験者からプロの電気工事士を目指す方まで幅広い人々が受験するこの試験。気になるのはその合格率と試験の難易度ですよね。
本記事では、第二種電気工事士試験の合格率や難易度、さらに対策に必要な勉強時間を徹底的に解説します！
第二種電気工事士試験の合格率は？
一般的に、第二種電気工事士試験の合格率は学科試験・技能試験あわせて50%〜60%程度と言われています。
- 学科試験：60%程度
- 技能試験：70%程度
学科試験の合格者のみ、技能試験を受験することができます。
もし、学科試験に合格して技能試験に不合格だった場合、次々回の試験まで学科試験は免除となります。
※2023年度の学科試験までは、次回の試験のみ学科試験が免除されていました。2024年度分から次々回の試験まで学科試験免除が適用されるようになりました。
下の表は第二種電気工事士試験の受験者数と合格率です。
| 開催年度 | 学科試験 | 技能試験 | |||
| 合格率 | 受験者数 | 合格率 | 受験者数 | ||
| 2024年度 | 下期 | 55.9% | 62,323 | ||
| 上期 | 60.2% | 70,139 | 70.1% | 50,668 | |
| 2023年度 | 下期 | 58.9% | 63,611 | 68.8% | 45,790 |
| 上期 | 59.9% | 70,414 | 73.2% | 49,547 | |
| 2022年度 | 下期 | 53.3% | 66,454 | 70.6% | 44,101 |
| 上期 | 58.2% | 78,634 | 74.3% | 53,558 | |
| 2021年度 | 下期 | 57.7% | 70,135 | 71.1% | 51,833 |
| 上期 | 60.4% | 86,418 | 74.2% | 64,443 | |
| 2020年度 | 下期 | 62.1% | 104,883 | 72.9% | 66,113 |
| 上期 | ー | ー | 67.8% | 6,884 | |
| 2019年度 | 下期 | 58.5% | 47,200 | 62.2% | 41,680 |
| 上期 | 70.6% | 75,066 | 67.4% | 58,699 | |
試験によって変動はありますが、おおよそ学科試験60%、技能試験70%程度の合格率となっています。
第二種電気工事士の難易度は？
合格率60%という数字から見ると、第二種電気工事士は国家資格の中ではそこまで難しい部類ではありません。しっかりと試験対策をすれば、未経験の方でも学科試験1−2ヶ月、技能試験1ヶ月程度勉強すれば十分合格圏内に入れます。
第二種電気工事士試験の試験内容
第二種電気工事士の試験は年2回実施されており、試験は学科試験と技能試験の２パートに分かれています。
1. 学科試験
- 内容：電気の基礎理論、機器、配線図、法規に関する問題
- 形式：四肢択一のマークシート形式（CBT形式の場合はパソコン画面で回答）
- 合格基準：50問中30問以上の正解で合格
- 難易度：高校物理レベルの基礎知識が問われるため、未経験者には最初の壁になることも
2. 技能試験
- 内容：事前公開される13問の「候補問題」から1問が試験当日に出題される
- 形式：配線作業を実際に行い、完成品の正確さを評価
- 合格基準：時間内に欠陥なく施工されていること
- 難易度：練習次第で対応可能。時間内に完成しミスをしなければほぼ合格できる
また、学科試験の実施から技能試験までは約2ヶ月ほど時間が空いています。まずは学科試験をしっかり対策し、学科試験が終わってから技能試験の対策をしても十分間に合います。
第二種電気工事士試験の勉強法
筆者は未経験から学科試験1ヶ月、技能試験1ヶ月の勉強期間で、仕事をしながら第二種電気工事士の試験に一発合格することができました。
ここでは学科試験と技能試験の勉強方法について紹介します。
学科試験の勉強法
筆者は下記のようなステップで勉強しました。
- テキストをざっと読んで全体像を理解する（1週間）
- テキストを読みながら問題を解く（2週間）
- ひたすら過去問を解く（1週間）
勉強期間は1ヶ月間、平日休日平均して毎日1時間程度です。
おすすめのテキストは「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士筆記試験すい〜っと合格」です。図が多くて解説がわかりやすく、カテゴリごとの問題集と数年分の過去問も付属されているので、他に問題集を購入することなくこれ1冊で十分でした。
未経験の方は最初は慣れない単語でとっつきにくいと思いますが、学科試験は過去問と類似問題が多く出題されるため、しっかりと試験対策をすれば必ず合格点に届きます。
学科試験対策については、こちらの記事に詳しく記載しているので参考にしてください。
技能試験の勉強法
技能試験は下記のようなステップで勉強しました。
- 13種類の候補問題の複線図をマスターする（1週間）
- 動画を見ながら1周目の施工練習（2週間）
- 時間を計り2周目の施工練習（1週間）
筆者は勉強・練習期間は1ヶ月間、平均して毎日1.5時間程度で技能試験を合格できました。
技能試験は候補問題がわかっているので、何度も繰り返して練習をしておけば試験本番でも余裕を持って取り組めます。
オススメの工具や技能試験対策については、こちらの記事で紹介しています。
第二種電気工事士試験の勉強のコツ
1. 計画的な勉強スケジュールを立てる
試験日から逆算して計画を立て、少しずつ進めましょう。特に学科試験は1〜2ヶ月前から対策を始めるのが理想です。仕事をしながら受験する場合は、平日どれだけ勉強時間がとれるかは人によって差があるので、自分なりのスケジュールを立てましょう。
2. 短期決戦で勝負する
未経験の方は学科試験は2ヶ月くらいの勉強期間を見ておいた方が余裕を持って試験に臨めると思います。
一方で、3ヶ月以上で設定すると逆に長すぎて集中力が続かなかったり、前に覚えた記憶が薄れてしまうと感じました。短期決戦と割り切って、1−2ヶ月間集中して取り組むのがおすすめです。
3. モチベーションを維持する
試験勉強が辛くなったときは、資格取得後のメリットを思い出してください。例えば、「手に職がつく」「収入アップが見込める」など、資格取得後の未来を想像することでモチベーションを保てます。
Twitter（X）で同じ試験の受験生が勉強している様子を見るのも効果的でした。「みんなこれだけ頑張ってるから自分もやらなくては」という気持ちにさせてくれます。
第二種電気工事士を取得するメリット
第二種電気工事士の資格はそこまで難易度の高い資格ではありませんが、取得することで多くのメリットが得られます。数ある国家資格の中でも非常にコスパの良い資格です。
メリットの例をいくつかを紹介します。
キャリアアップと収入アップ
第二種電気工事士資格を取得すると、一般家庭や小規模施設の電気設備工事ができるようになります。この資格は、電気工事の分野で就職や転職を有利に進める際の強力な武器となります。
また、多くの企業では資格手当が支給されるため、収入の向上も期待できます。
独立や起業が可能
第二種電気工事士は、将来的に独立して電気工事業を始めるための基礎資格となります。小規模の修理から設備設置工事まで幅広く対応できるため、自分のペースで仕事を進められる自由な働き方が可能です。
生活の中で活かせる実用性
資格取得に伴い、電気の仕組みや配線方法などの知識とスキルが身につきます。これにより、自宅や知人の簡単な電気工事や修理を安全かつ正確に行うことができ、日常生活でも役立てられます。
まとめ
第二種電気工事士の合格率は50%〜60%と比較的高めですが、合格するためには計画的な勉強と技術練習が欠かせません。この記事で紹介した内容を参考に、ぜひ試験に向けた準備を始めてください。
資格取得には試験勉強と工具などを揃える費用がかかりますが、難易度の割に第二種電気工事士の資格保持メリットは大きく、数ある国家資格の中でも非常にコスパの良い資格です。
あなたの努力が、明るい未来につながります。合格を目指して頑張りましょう！
