第二種電気工事士技能試験は、制限時間40分の中で正確かつ迅速に作業を完了することが求められる試験です。
しかし、「40分では時間が足りない」と感じる受験者が多いのも事実です。
筆者は未経験から独学で技能試験対策し、本番試験でも35分程度で施工完了して一発合格できました。
本記事では、技能試験で時間が足りなくなる原因を分析し、それを解決するための対策を紹介します。試験本番で焦らず自信を持って取り組むためのヒントをお伝えします!
技能試験で時間が足りなくなる主な原因
時間配分のミス
作業に夢中になるあまり、時間を気にせず進めてしまうと、最後の仕上げに時間が足りなくなることがあります。事前に時間配分を決めて練習に取り組むことで、本番でも時間内に施工完了できるようになります。
複線図作図の練習不足
技能試験では、単線図から複線図を作成し作業を進める必要があります。慣れないうちは複線図を書くのに、途中で迷ったり、ミスを修正したりで5分以上かかると思います。
複線図作図に時間をかけすぎると、制限時間内に作業を終えるのが難しくなります。
工具の扱いに慣れていない
試験で使用する工具(VVFストリッパー、圧着工具など)に不慣れだと、作業スピードが遅くなります。
特に、VVFケーブルの被覆剥きやランプレセクタルの結線、リングスリーブの圧着などは、どの候補問題でも共通する作業となり、施工スピードを上げることで確実に時間短縮に繋がります。
緊張によるペースダウン
試験本番では多くの人が緊張します。その結果、普段ならスムーズにできる作業も手が止まったり、あせってしまい手順を間違えることがあります。
時間に余裕を持って会場に到着し、試験開始まで場の雰囲気に少しでも慣れるようにしてみましょう。
時間が足りない状況を改善する対策
「技能試験40分だと時間が足りない!」という人は、下記の改善策を参考にしてみてください。
時間配分を把握する
時間配分を決めて技能試験にのぞむことは非常に大切です。事前練習でも下記の時間配分を目標にして取り組み、自分はどこで時間がかかりすぎているのか把握しておきましょう。
- 布尺とゴミ袋の固定(1分)
- 複線図の作図(4分)
- 器具の接続(20分)
- 電線の接続(10分)
- 名札取付け・見直し(5分)
布尺とゴミ袋の固定(1分)
持参した布尺と支給されるゴミ袋をマスキングテープで机に固定します。練習では省略してよいですが、試験本番では1分程度余分にかかると思っておきましょう。
複線図の作図(4分)
複線図は何度も練習し、4分以内で作図できるようになるとベストです。
器具の接続(20分)
複線図通りにケーブルを切断・芯線被覆を外す→器具に取り付け、を繰り返します。どの候補問題でも20分以内に器具の施工完了できるようになればOKです。
電線の接続(10分)
電線の仮留め・接続は10分程度でできるようになればOKです。
名札取付け・見直し(5分)
試験本番では作品に氏名を記入した名札を取り付けます。練習では名札取付け・見直しの時間を除いて、35分程度で施工完了できるようになれば時間配分は大丈夫です。
複線図をマスターする
技能試験では出題された単線図から複線図を書き起こして施工作業を行います。そのため複線図がしっかり書けないと正確な配線ができません。
テキストで複線図の書き方をおさらいし、13種類の候補問題の単線図からひとつずつ複線図を書いてみましょう。複線図の書き方につまづいている方は、ホーザン株式会社のYoutube過去問解説動画がわかりやすくおすすめです。
正確に複線図が書けるようになったら、次はいかに早く書けるようになるかがポイントです。
試験時間40分は意外と短く、複線図は4分程度でかけるようになることが望ましいと思います。
初めは時間がかかると思いますが、何度も練習して慣れると4分程度で書けるようになると思います。
ちなみにYoutube動画では複線図と補足書き込みを3色で使い分けしていますが、筆者は鉛筆と赤ペンの2色で使い分けしていました。1色だと見づらくなるので2色以上で書くのがオススメです。
時短工具を使う
時短工具を使用していない場合は、時短工具を使うことで容易に時短に繋がります。筆者は下記2点を使用しました。
ホーザン(HOZAN) VVFストリッパー 電気工事士試験対応 ワイヤーストリッパー
VVFケーブルの被覆を芯線を傷つけることなくキレイにまとめて剥がせます。電工ナイフで1本ずつ剥くより断然作業は早くなります。また、メモリも付いているので1cm、2cmの被覆を剥く長さもこれ1本で測れます。
HOZAN (ホーザン) P-926 合格クリップ
リングスリーブ圧着前の電線束を仮留めするのに使います。3本、4本を束ねる時は仮留めしたほうが楽に施工できます。技能試験本番でも持ち込み可能です。
基本工具と練習用部材(1回分)セット
工具と練習部材をこれから購入する場合は、上記の工具と練習部材1回分セットにVVFストリッパーと合格クリップがセットで入っているのでオススメです。このセットがあれば技能試験の対策は十分です。
工具の扱い・器具の取り付けに慣れる
器具の接続+電線の接続で30分以上かかっている場合は、工具の扱いや器具接続に十分慣れていないと考えられます。
苦手な施工を割り出して器具単体の接続練習も繰り返し行うようにしましょう。
特にVVFケーブルの芯線被服剥き、ランプレセクタルの結線、リングスリーブの圧着はどの候補問題にも共通する施工なので、十分に練習することで時間短縮の底上げを図ることができます。
本番を想定した施工練習を行う
基本的な施工がスムーズにできるようになったら、実際にタイマーを用意し作業を終える練習を繰り返しましょう。最終確認の時間を除き35分程度で施工できるようになればOKです。
時間が足りない場合の時間短縮の小ネタ
十分に施工練習をしても時間が足りない、という人のために時間短縮に繋がる小ネタをお伝えします。
複線図の作図を簡略化する
複線図の作図に4分以上かかる人は、作図を丁寧に描きすぎている可能性があります。自分が読めればいいので、丁寧に書きすぎないようにしましょう。
また、ペンの持ち替えにも時間がかかるので、配色にこだわりすぎずに2色くらいで済ませるのもひとつです(筆者は鉛筆と赤ボールペンの2色で作図していました)。
暗記するほど作図をしている人は、「施工条件の電線長さ」+「器具に取り付ける電線長さ」の記載などは省略してしまっても構いません。後ほども説明しますが、電線長さは厳密でなくて構いませんので、施工条件の寸法+αで切り出しても大丈夫です。
中には複線図を完全に暗記していて、試験本番では複全図自体を作図せずに施工する人もいます。ただ、複線図を書いた方が結果的にミスなく施工できるので、最低限度で作図はした方がよいと思います。
電線長さは大雑把でOK
電線長さは施工条件に記載されている寸法の50%までは許容範囲です。
施工条件で200mmと記載されていても、100mmくらいあれば不合格とはなりません。
少なくとも20−30mm程度の誤差は問題ないので、電線を切るときに長さを正確に測ることに時間をかけすぎず、大体の長さで切断してしまってOKです。
まとめ
第二種電気工事士技能試験で「時間が足りない」と感じるのは、多くの場合、時間配分のミスと練習不足が原因です。本記事で紹介した対策を実践することで、時間内に作業を終え、合格に近づけるはずです。
技能試験は、候補問題がわかっているので練習次第で確実に対応できる試験です。しっかりとした準備と練習を行い、自信を持って本番に挑んでください。あなたの合格を心から応援しています!