今回は筆者が未経験から第二種電気工事士の資格試験に一発合格した勉強方法を紹介します。
第二種電気工事士の資格は、電気工事業界で働くための第一歩となる重要な資格です。この資格を取得すれば、家庭用電気設備の工事や修理ができるようになります。しかし、未経験者にとって試験の内容は難しく感じることも多いです。
この記事では、未経験から第二種電気工事士試験に合格するための効率的な勉強法とコツを詳しく解説します。
試験の概要を理解しよう
第二種電気工事士試験は、大きく分けて「学科試験」と「技能試験」の2つから構成されています。学科試験では電気に関する基礎知識や法規について問われ、技能試験では実際の配線や接続作業を行います。試験を突破するためには、それぞれの試験の特性に応じた勉強が必要です。
学科試験の合格率は60%程度、技能試験の合格率は70%程度です。
国家資格の中ではそこまで難しい部類でなく、未経験の方でも学科試験1−2ヶ月、技能試験1ヶ月程度勉強すれば十分合格圏内に入れます。
筆者はほぼゼロ知識から1ヶ月毎日1時間ほど勉強して約30時間程度、正答数34問/50問で学科試験を合格できました。
学科試験の内容
学科試験では以下のような分野が出題されます:
- 電気の基礎理論(オームの法則、電力計算など)
- 電気機器(コンセント、スイッチなどの仕様)
- 配線図(電気回路を読む力)
- 法規(電気設備の基準や規則)
すべて4択のマークシート形式で50問出題され、100点満点中60点以上で合格です。高校や大学で物理を専攻していると有利ですが、未経験でもしっかり取り組めば大丈夫です。
試験時間は120分あり、1問あたり2分20秒使える計算です。パッと見て答えられる問題も多いので、計算問題にしっかり時間をかけても時間不足になることは少ないと思います。
技能試験の内容
技能試験では、事前に公開されている13問の「候補問題」の中から試験会場ごとにランダムで一つが出題されます。試験では、指定された部材を使い、制限時間内に正確な配線を行うことが求められます。ひとつのミス(欠陥)で不合格になってしまうのがシビアですが、事前に問題がわかっているのでしっかりと練習をしておけば大丈夫です。
技能試験についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
学科試験の勉強法とスケジュール
筆者は下記のようなステップで勉強しました。勉強期間は1ヶ月間、平日休日平均して毎日1時間程度です。
①テキストをざっと読んで全体像を理解する → ②テキストを読みながら問題を解く → ③ひたすら過去問を解く
おすすめのテキストは「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士筆記試験すい〜っと合格」です。図が多くて解説がわかりやすく、カテゴリごとの問題集と数年分の過去問も付属されているので、他に問題集を購入することなくこれ1冊で十分でした。ちなみに筆者は通勤時間に勉強したかったので持ち運びに便利な電子書籍で購入しました。
①テキストをざっと読んで全体像を理解する(1週間)
まずはあまり時間をかけずに、試験範囲の全体像を掴むことを目的にテキストを読み込みました。暗記できていなくても気にせず、こんな工具や工事方式があるんだなーくらいに読み進めればOKです。
ただ、電気の基礎理論と配線図の書き方については、少し立ち止まって理解できるまで時間をかけました。テキストだけで理解できない場合は、web検索したりYoutubeなどを見ることも理解を深めるのに役立ちました。
②テキストを読みながら問題を解く(2週間)
2周目は「テキストを読む」→「すい〜っとに付属している該当問題を解く」を繰り返して読み進めました。どんな視点で出題され、何を暗記しないといけないかを掴みながらテキストを読み進められるので、テキストを読み流すよりも確実に記憶の定着が進みます。
③ひたすら過去問を解く(1週間)
ひと通り基礎知識のインプットが終わったらひたすら過去問を解きます。第二種電気工事士の試験は過去問と同様の問題の改題が多いので、過去問を繰り返しといて間違えたところを復讐することで確実に得点は上がります。
「すい〜っと」に4回分の過去問が付属しているのでこれだけでも十分だと思います。筆者は時間が取れずに3回分しか解けませんでしたが、可能な限りたくさん過去問を解くことをおすすめします。
学科試験合格のコツ
スキマ時間を活用する
仕事や家庭で忙しい方は、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用しましょう。テキストを紙媒体にするか電子書籍にするかは好みで選んで良いと思います。
筆者は通勤時間や始業前の時間を使いたかったので持ち運び便利な電子書籍で購入し、KindleFireタブレットで読んでいました(ちなみにテキストと問題を繰り返し解く際はタブレット端末2台を活用)。電子書籍のデメリットはテキストに書き込みできないことですが、「すい〜っと」の内容が充実しているので、特に書き込む必要はありませんでした。
電気の基礎理論と複線図に理解には時間をかける
筆者もそうですが、高校で電気があまり得意でなかった人は、電気の基礎理論の理解に時間がかかると思います。理解できてしまえば得点源なので、時間が許す限り理論の理解に取り組むのが良いと思います。
ただ、どうしても苦手という人は難しい計算問題は捨ててしまってもよいです。それよりも他の問題の暗記に時間をかけた方が合格への近道だと思います。目的は限られた勉強時間で試験に合格することなので、100%解けずとも問題なく、割り切りも大事です。
電気の複線図も未経験者にはとっつきにくい分野で、はじめは理解するのが難しいと思います。ただ、こちらは技能試験で必須の知識になりますので、時間をかけてでもしっかり理解して解けるようにしておくことが大切です。
短期決戦で勝負する
筆者は勉強時間を1ヶ月毎日1時間と決めて勉強しましたが、仕事と並行しながら勉強するので十分時間を取れない日もあったりするなど、結構ギリギリなスケジュールに思えました。未経験の方は2ヶ月くらいの勉強期間を見ておいた方が余裕を持って試験に臨めると思います。
一方で、3ヶ月以上で設定すると逆に長すぎて集中力が続かなかったり、前に覚えた記憶が薄れてしまうと感じました。短期決戦と割り切って、1−2ヶ月間集中して取り組むのがおすすめです。
モチベーションを維持する
試験勉強が辛くなったときは、資格取得後のメリットを思い出してください。例えば、「手に職がつく」「収入アップが見込める」など、資格取得後の未来を想像することでモチベーションを保てます。Twitterで同じ試験の受験生が勉強している様子を見るのも効果的でした。「みんなこれだけ頑張ってるから自分もやらなくては」という気持ちにさせてくれます。
まとめ
今回は第二種電気工事士の勉強方法とコツについて解説しました。
未経験から第二種電気工事士の資格を取得するのは決して簡単ではありませんが、適切なテキストで計画的な勉強を行えば必ず合格できます。この記事で紹介した勉強法を参考に、自信を持って試験に挑んでください。
資格取得後の明るい未来があなたを待っています!